尿路結石は、結石の場所と大きさで治療方法が異なります。腎臓や上部の尿管に結石がある場合、体外衝撃波による治療(ESWL)(左図)を行うことが多く、結石が尿管の中部と下部にある場合は、経尿道的尿管結石砕石術(TUL)が標準的に行なわれます。
また腎結石が大きい鋳型結石の場合では、背中から腎臓に管を通し治療を行う経皮的腎砕石術(PNL)が行なわれます。
体外衝撃波治療とは
音速より速い速度で移動する物体より出る音(密度波)を衝撃波といいます。戦闘機が低空飛行をして、窓ガラスが割れたという話のように衝撃波はものを破壊する力があります。1982年西ドイツのミュンヘンで体外より衝撃波をあて腎結石を破砕することに成功してから、瞬く間に世界中に広がり、尿路結石の治療法の一つとなりました。
結石治療の一般的な流れと注意点
- 1回の治療では、結石が充分壊れない場合もあります。その様な場合、いくつかの治療を組み合わせて行なう必要があります。
- 通常、壊れた結石は少しずつ排石されますが、破片が腎・尿管に残ることがあります。
- 壊れた結石が流れ出る途中で、再び尿管につまり、痛みや血尿が生じる場合もあります。そのような場合、破片を取り除く処置(手術)が必要な場合もあります。
- 壊れた結石が尿管に詰まった場合にも尿が流れるように、尿管ステントという細い管を入れておく場合があります。
- 結石が壊れたとしても、排石されるまでは治療は終わりません。根気強く経過を見てゆく必要があります。
- 基本的に1泊2日の入院治療が原則ですが、患者様のご要望で外来治療も行えます。ただし、破砕中の鎮痛剤に制限があったり、以下に述べる合併症の確率が高くなったり、対処が迅速に行えない場合もありますので、十分ご理解・御納得の上、御検討下さい。
衝撃波治療による合併症
まれですが、以下にあげる合併症が起こることがあります
- 結石の回りの細菌による発熱。→点滴抗生剤による治療を行います。結石で尿の流れが悪い場合は、尿管にカテーテル挿入もしくは背中から腎臓に直接カテーテルを挿入することがあります。
- 腎被膜下血腫 衝撃波により腎出血がおこり血腫ができることがあります。出血が多いと輸血が必要になることもあります(0.7〜1.0%)
費用について
健康保険が適用されます。入院治療では3割負担で9〜10万、1割負担で3〜4万円です。外来治療では3割負担で7〜8万ほどです。検査や追加治療により変動しますので、ご了承下さい。また、民間保険の手術給付金の対象になりますので、詳しくは医事課・受付でご相談下さい。
費用以外のご質問やご不明な点は、医師もしくは看護師にお尋ね下さい。
高木病院 泌尿器科外来